大和物語 ====== 第18段 故式部卿宮二条の御息所に絶え給ひて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 故式部卿宮((宇多天皇皇子敦慶親王))、二条の御息所(みやすどころ)に絶え給ひて、またの年の睦月の七日の日、若菜奉り給ひけるに、   ふるさとと荒れにし宿の草の葉も君がためとぞまづは摘みつる とありける。 ===== 翻刻 ===== 故式部卿宮二条のみやすところにたえ給 てまたのとしのむ月の七日の日わかなたて まつり給ひけるに ふるさととあれにしやとのくさの はもきみかためとそまつはつみつる とありけるをなし人をなし御子の御/d13l