大和物語 ====== 第17段 故式部卿宮の出羽の御に継父の少将住みけるを・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 故式部卿宮((宇多天皇皇子敦慶親王))の出羽(いでは)の御(ご)に、継父(ままちち)の少将(([[u_yamato016|前段]]参照。))住みけるを、離れてのち、女、薄(すすき)に文(ふみ)を付けてありければ、少将、   秋風になびく尾花は昔見したもとに似てぞ恋しかりける となむ言へりければ、出羽の御、返り事、   たもとともしのばざらまし秋風になびく尾花のおどろかさずは ===== 翻刻 ===== 故式部卿宮のいてはのこにままちちの少将 すみけるをはなれてのち女すすきに ふみをつけてありけれは少将/d13r あきかせになひくおはなはむかし みしたもとににてそこひしかりける となむいへりけれはいてはのこ返事 たもとともしのはさらまし秋かせ になひくおはなのおとろかさすは/d13l