大和物語 ====== 第14段 本院の北の方の御弟の童名をおほつふねといふいますかりけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 本院((藤原時平))の北の方((在原棟梁の娘))の御弟(みおとうと)の童(わらは)、名を「おほつふね」といふ、いますかりけり。 陽成院の御門に奉りたりけるを、おはしまさざりければ、詠みて奉りける、   あらたまの年は経ねども猿沢の池の玉藻(たまも)は見つべかりけり ===== 翻刻 ===== 敦忠中納言母在原棟梁女 本院のきたのかたのみをとうとの わらは名をををつふねといふいます/d12r かりけり陽成院のみかとにたて まつりたりけるをおはしまささり けれはよみてたてまつりける あらたまのとしはへねともさるさは のいけのたまもはみつへかりけり/d12l