徒然草 ====== 第227段 六時礼讃は法然上人の弟子安楽といひける僧経文を集めて作りて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 六時礼讃(ろくじらいさん)は、法然上人の弟子、安楽といひける僧、経文を集めて作りて、勤めにしけり。 その後、太秦善観房(うづまさのぜんくわんぼう)といふ僧、節博士(ふしはかせ)を定めて、声明になせり。一念の念仏の最初なり。後嵯峨院((後嵯峨天皇))の一代より始まれり。法事讃も、同じく善観房始めたるなり。 ===== 翻刻 ===== 六時礼賛は。法然上人の弟子安楽と いひける僧。経文をあつめて造りて。つとめ にしけり。其後太秦善観房といふ僧。 ふしはかせを定て声明になせり。一念 の念仏の最初也。後嵯峨院の一代より/k2-64r はじまれり。法事讃も。同じく善観房 はじめたる也。千本の釈迦念仏は。文永/k2-64l http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0064.jpg