徒然草 ====== 第169段 何事の式といふことは後嵯峨の御代までは言はざりけるを・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 「何事の式といふことは、後嵯峨((後嵯峨天皇))の御代までは言はざりけるを、近きほどより言ふ言葉なり」と人の申し侍りしに、建礼門院の右京大夫((建礼門院右京大夫・平徳子))、後鳥羽院((後鳥羽天皇))御位ののち、また内裏住(うちず)みしたることを言ふに、「世のしきも変りたることはなきにも」と書きたり。 ===== 翻刻 ===== 何事の式といふ事は。後嵯峨の御代 までは云ざりけるを。近きほどよりいふ詞 なりと人の申侍しに。建礼門院の 右京太夫。後鳥羽院御位ののち。又 うちずみしたる事をいふに。世のし きもかはりたる事はなきにもと書たり/w2-25l http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0025.jpg