徒然草 ====== 第103段 大覚寺殿にて近習の人どもなぞなぞを作りて解かれけるところへ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 大覚寺殿((後宇多法皇の御所))にて、近習の人ども、なぞなぞを作りて解かれけるところへ、医師忠守(くすしただもり)((丹波忠守))参りたりけるに、侍従大納言公明卿(きんあきらのきやう)((三条公明))、「わが朝の者とも見えぬ忠守かな」と、なぞなぞにせられにけるを、「唐瓶子(からへいじ)」と解きて、笑ひ合はれければ、腹立ちてまかり出でにけり。 ===== 翻刻 ===== 大覚寺殿にて。近習の人ども。なぞなぞを作 りてとかれける処へ。くすし忠守参り/w1-74r たりけるに。侍従大納言公明卿。我朝の者 ともみえぬ忠守哉と。なぞなぞにせら れにけるを。唐瓶子とときて。わらひあ はれければ。はらたちて退出にけり/w1-74l http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0074.jpg