徒然草 ====== 第77段 世の中にそのころ人のもてあつかひぐさに言ひあへること・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 世の中に、そのころ人のもてあつかひぐさに言ひあへること、いろふべきにはあらぬ人の、よく案内(あない)知りて、人にも語り聞かせ、問ひ聞きたるこそ、うけられね。 ことに、かたほとりなる聖法師(ひじりほふし)などぞ、世の人の上は、わがごとく尋ね聞き、「いかで、かばかりは知りけん」と思ゆるまでぞ、言ひ散らすめる。 ===== 翻刻 ===== 世中にその比人のもてあつかひぐさに いひあへる事。いろふべきにはあらぬ人の よくあないしりて人にも語きかせとひ ききたるこそうけられね。ことにかたほ とりなるひじり法師などぞ。世の人の 上はわがごとく尋聞。いかでかばかりは知 けんと思ゆるまでぞいひちらすめる/w1-59r http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0059.jpg