徒然草 ====== 第76段 世のおぼえ花やかなるあたりに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 世のおぼえ、花やかなるあたりに、歎きも喜びもありて、人多く行きとぶらふ中に、聖法師(ひじりほふし)の交りて、言ひ入れたたずみたるこそ、さらずともと見ゆれ。 さるべきゆゑありとも、法師は人にうとくてありなん。 ===== 翻刻 ===== 世の覚え花やかなるあたりに。嘆も喜 もありて。人おほく行とぶらふ中に。 ひじり法師のまじりて。いひ入たたずみ たるこそさらずともと見ゆれ。さるべき故/w1-58l http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0058.jpg 有とも。法師は人にうとくてありなん/w1-59r http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0059.jpg