[[index.html|醒睡笑]] 巻8 茶の湯
====== 12 古今万葉集といふ壺を持ちてくすむ人あり・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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古今万葉集といふ壺を持ちてくすむ人あり。聞く者珍しがり、その心をきかんと望めども、あへて語らず。言はぬに深き心のほどゆかし。いたく執心し尋ねけるに、かの壺ぬし言ふ「古(こ)は古茶、今(きん)は新茶、万葉は無上別義そう、集はいづれをも集め詰むるゆゑに、その徳をもつて名とす」。
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===== 翻刻 =====
一 古今万葉集といふ壺をもちてくすむ人あり
聞者めつらしかり其心をきかんと望めとも
あへてかたらすいはぬにふかき心のほとゆかし
いたく執心し尋けるに彼壺ぬしいふ古は古
茶今は新茶万葉は無上別義そう集は
いつれをもあつめつむる故に其徳をもつて
名とす/n8-56r