[[index.html|醒睡笑]] 巻8 茶の湯
====== 9 時しも夏の暑きころ民家に姥ら集まり茶事してゐけるが・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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時しも夏の暑きころ、民家に姥(うば)ら集まり茶事してゐけるが、連尺(れんじやく)かけたる商人(あきうど)の通るをあはれみ、「立ち寄り休み、茶をも飲まれよ」と呼びたれば、「あら嬉しや。三服たべう」と言ふ言ふ立ち寄りし。「いかほどなりと飲ましませ」。商人、「いや三服は空値(そらね)((実際よりも高くつけた値段))。定(ぢやう)((正価))は一服たべうず」と。
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===== 翻刻 =====
一 時しも夏のあつき比民家にむばらあつまり
茶事してゐけるかれんしやくかけたる商人
のとをるをあはれみ立よりやすみ茶をものま
れよとよひたれはあら嬉しや三服たへう
といふいふたちよりしいかほとなりとのまし
ませ商人いや三服はそらね定は一服たへ/n8-55r
うすと/n8-55l