[[index.html|醒睡笑]] 巻8 かすり ====== 3 武家の愁傷ありと聞いて弔ひにつかはす・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho8-085|<>]] 「武家の愁傷あり」と聞いて、弔(とぶら)ひにつかはす。「口上に、『御親父逝去のこと、是非なし。しかし生老病死の習ひ、いたつて歎きあるまじく候ふ』と言へ」。 右の使者、「生老病死」をうち忘れ「だんずるべうし((檀尻拍子))」と申しければ、「されば、親にて候ふ者、ひりやひりやにふりよ((笛の音の擬声語。「ふりよ」は「不慮」にかける。))に果てて候ふ」と。 当意即妙なるうけあひかな。 [[n_sesuisho8-085|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 武家の愁傷ありときいて弔につかはす口上   に御親父逝去の事是非なし併生老病死   のならひいたつて歎有まじく候といへ右の使   者生老病死を打わすれだんするべうし   と申けれはされは親にて候者ひりやひりやに   ふりよにはてて候と 当意即妙なるうけあひ哉/n8-36r