[[index.html|醒睡笑]] 巻7 謡 ====== 32 楊貴妃の能に太夫がしるしの簪を解かんとするに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-089|<>]] 楊貴妃の能に、太夫がしるしの簪(かんざし)を解かんとするに、面を結うたる糸に結ぼれ、つひに解けず。せんかたなければ、面ともにとりそへて渡す。脇が二色(ふたいろ)を手に持ち、「しるしの簪、面まで賜はり((謡曲「楊貴妃」「しるしの釵また賜はりて。暇申してさらばとて。」))」と謡ひごとは。 大夫の素顔、いかが候はん((底本この文数文字下げで小書き。))。 [[n_sesuisho7-089|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 やうきひの能に太夫がしるしの簪(かんさし)をとかん   とするに面をゆふたるいとにむすほれ終(つゐ)に/n7-46l   とけずせんかたなけれは面ともにとりそへ   てわたすわきが二いろを手にもちしるしの   かんさし面まてたまはりとうたひことは     大夫のすかほいかか候はん/n7-47r