[[index.html|醒睡笑]] 巻7 謡 ====== 24 津の国にてある侍の鶉狩して遊ばんと・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-081|<>]] 津の国((摂津国))にて、ある侍の鶉狩(うづらがり)して遊ばんと、小鷹すゑさせ出でたれけるに、万代(まんだい)が池のあたりに人集まり、大きにいさかひする体へ、加世者(かせもの)を つかはし様子を見せければ、かの使立ち帰り、「道通りの奉公人と百姓の担桶(たご)荷なひと口論つかまつり候ふが、百性の方が道理さうに見えてござある」。「何と道理とは」。「こえもち少しも騒ぎ給はぬほどに((謡曲「紅葉狩」の「維茂すこしも騒がずして」による。「維茂」を「肥え持ち」ともじった。))」。 [[n_sesuisho7-081|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 つのくににてある侍の鶉狩(うつらかり)してあそばんと   小鷹すへさせ出たれけるに万代(まんたい)か池のあた   りに人あつまり大にいさかひする体へ加世者(かせもの)を   つかはしやうすを見せけれは彼使たちかへり   道とをりの奉公人と百性(しやう)のたごになひと   口論(こうろん)仕候が百性のかたが道理(だうり)左右に見へて/n7-43r   御座あるなにと道理とはこえもち少も   さはきたまはぬほとに/n7-43l