[[index.html|醒睡笑]] 巻7 謡
====== 9　仏には毛があるかなきものか・・・ ======

===== 校訂本文 =====

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「仏には毛があるか、なきものか」。「いや、ない。無げ光仏((無碍光仏。阿弥陀如来の異称。))とあり」。「いやある。けぶつ菩薩((化仏菩薩))といへり」。互ひに論じて、堂坊主に判談を受けければ、「あるにあらず、なきにあらず」。「それは何事ぞ」。熊野(ゆや)((謡曲「熊野」))の謡に、『末世一代けうすの如来((教主の如来・毛薄の如来))』と作りたほどに。

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===== 翻刻 =====

  一　仏には毛があるかなき物かいやない無(む)け光(くわう)
  　　仏とありいやあるけぶつほさつといへり互(たかい)に／n7-37r

  　　ろんじて堂坊主に判談をうけけれはあ
  　　るにあらすなきにあらずそれは何事ぞ
  　　ゆやの謡(うたひ)に末世一代(まつせいちだい)けうすのによらいと
  　　つくりたほどに／n7-37l