[[index.html|醒睡笑]] 巻7 廃忘 ====== 6 若衆と二人寝ねてありし法師が暁雨の降る音を聞き・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-048|<>]] 若衆と二人寝(い)ねてありし法師が、暁、雨の降る音を聞き、「南無三宝、とめて朝食を振舞はずはなるまい。そら寝入りし、起きて帰るを知らぬふりにせんこそよからめ」と思案しければ、若衆、そと起きて行く。 「もはや門のそとへ出でぬべき」と思ひ、心もとなさに起きて見ければ、いまだ門の内にやすらへるを見付け、仰天し、立ちてゐながら目をふさぎ高いびきをかきごとは。 [[n_sesuisho7-048|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 若衆とふたりゐねてありし法師か暁(あかつき)雨の   ふる音を聞なむ三宝とめて朝食をふる   まはずはなるまいそらねいりしおきて帰   るをしらぬふりにせんこそよからめと思案   しけれは若衆そとおきて行もはや門の/n7-30r   そとへ出ぬへきとおもひ心もとなさにおき   て見ければいまた門の内にやすらへるを見   つけ仰天し立てゐながら目をふさきた   かいひきをかき事は/n7-30l