[[index.html|醒睡笑]] 巻7 思の色を外にいふ ====== 19 せせり作事をする時亭主大工と物語するついで・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-018|<>]] せせり作事をする時、亭主、大工と物語するついで、大工の見る、「御亭(ごてい)はいくつに候ふや」。「四十八になる」とあれば、大工の言ふ、「もはや二つこそ((「こそ」は底本「こす」。諸本により訂正。))足らね。五十までよ」とおちつけたり。亭、大きに腹立(ふくりう)し、遺恨(ゐこん)に思ひゐけるが、作料(さくりやう)を渡すその時、「米五斗つかはすべき」と言ひしを、四斗八升やりぬ。「これは二升足らぬ」と改めけるに、「いや四十八になる年も五十になれば、四斗八升も五斗にしてすませ」と言へり。 [[n_sesuisho7-018|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 せせり作事をする時亭主大工と物語する   次で大工の見る御亭はいくつに候や四十八/n7-12r   になるとあれは大工の云もはや二つこすたら   ね五十まてよとおちつけたり亭大に腹立し   遺恨(いこん)に思ひ居けるが作料(さくりやう)を渡其時米   五斗つかはすへきといひしを四斗八升やり   ぬ是は二升たらぬとあらためけるにいや四   十八になる年も五十になれば四斗八升も   五斗にしてすませといへり/n7-12l