[[index.html|醒睡笑]] 巻7 思の色を外にいふ ====== 9 雑談に心の奥の見ゆるかな言の葉ごとに気をつかふべし・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho7-008|<>]]   ((底本、ここで条が始まるが、内容的に[[n_sesuisho7-008|前条]]からの続き。))雑談(ざふたん)に心の奥の見ゆるかな言の葉ごとに気をつかふべし ともあれば、難波(なには)((何は))につけ、常の心を言ふなること、この表八句にて工夫あるべし。  しとやみや((不明。底本「はとやみ」とも読める。))けらこが嶽の木々の露    済家(さいか)((臨済宗))   いかなるかこれ秋の夜の月      曹洞((曹洞宗))  行つくす江南数日(すじつ)雁鳴きて   儒者(じゆしや)   西より来たる風の凉しさ       浄土((浄土宗))  そこにこそくせ物仏(ぶつ)はあるものを 当宗((日蓮宗))   何なまうだ((南無阿弥陀仏の訛り。))と唱へざるらん      時衆((時宗))  金剛界胎蔵界の春の花         真言((真言宗))   諸法実相へだてあらじな       天台((天台宗))/n7-8l [[n_sesuisho7-008|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 雑談(そうたん)に心の奥の見ゆるかな    言の葉ことに気をつかふへし   ともあれは難波(なには)につけ常の心をいふなる事   このおもて八句にて工夫あるべし    しとやみやけらこが嶽(だけ)の木々の露    済家(さいか)    いかなるかこれ秋の夜の月          曹洞(そうとう)    行つくす江南(こうなん)数日(すじつ)雁なきて 儒者(じゆしや)    西よりきたる風の凉しさ           浄土(しやうと)    そこにこそくせ物仏は有物を         当宗(たうしう)/n7-8r    何なまふたととなへさるらん         時衆(ちしう)    金剛界胎蔵界の春の花            真言(しんこん)    諸法実相へたてあらしな           天台(てんたい)/n7-8l