[[index.html|醒睡笑]] 巻6 推はちがうた ====== 23 継母に添へる子ありかの子をなつけて人の問ふ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-105|<>]] 継母に添へる子あり。かの子をなつけて、人の問ふ。「何と今の母は、いたいけに育(はごく)むことありや」。七つ八つなる子が返事に、「われを養へるは雀の子を飼ふやうにせらるる」と。「さても奇特(きどく)や。継子をば憎むものなるに、ためし少なし」と感じければ、「いや、物をいかにもちとづつくれらるる。多く食ふたらば、喉(のど)に瘻(ろ)が出来うかと思うてやら」。   継母の盛りたる飯(いひ)は富士の山汁をかくれば浮島が原 [[n_sesuisho6-105|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 継母にそへる子あり彼子をなつけて人の   とふなにと今の母はいたいけにはこくむ事有   や七つ八つなる子か返事にわれをやしなへる   は雀子をかふやうにせらるると扨もきどくやまま   子をはにくむ物なるにためしすくなしと感しけ   れはいや物をいかにもちとつつくれらるるおほくくふ   たらば喉にろがてきうかとおもふてやら/n6-52r    まま母のもりたるいひはふしの山    汁をかくれはうきしまかはら/n6-52l