[[index.html|醒睡笑]] 巻6 推はちがうた ====== 15 和泉の堺市の町に金城とて平家の下手あり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-097|<>]] 和泉の堺、市(いち)の町に、金城とて平家の下手あり。正月初参会(はつさんくわい)に出でて、「祝儀を申さんや」とうかがふ。「もつともよからん」とあり。 琵琶を調べけるに、座敷静まりたれば、「わが平家を真にかまへ、みな人よく聞かるるぞ」と思ひ、長々と語る。役人出でて、「もはや平家をおやめあれ。人は平家の始まると、そのまま立ちて一人もないに((「もないに」は底本「しないに」。諸本により訂正。))」と。 [[n_sesuisho6-097|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 和泉の境市の町に金城とて平家の下手   有正月はつ参会に出て祝儀を申さんや   と伺ふ尤よからんとあり琵琶を調けるに   座敷しつまりたれは我平家を真にかまへ皆   人よくきかるるそと思ひ長々とかたる役人出てもは   や平家をおやめあれ人は平家のはしまるとそのまま/n6-48r   たちてひとりしないにと/n6-48l