[[index.html|醒睡笑]] 巻6 推はちがうた ====== 2 馬喰のもとにて馬を買ふ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho6-084|<>]] 馬喰(ばくらう)のもとにて馬を買ふ。「目・爪・髪・鞍下、そのほか揃うたる」と讃むる時、「川渡りは良きか」と問ふ。「中々のこと。川は鵜ぢや」。「めでたし」とて、わめき戻りしが、十日ばかり過ぎ、荷を付け川を渡るに、中ほどにて、だうど伏したり。飼ひ主、気をそこなひ、馬喰がもとに来たり、存分を言ひけるに((「に」は底本「よ」。諸本により訂正。))、「さればこそ、『川は鵜ぢや』と申したは。鵜といふ鳥の、水を見て入らぬやあらん」。 [[n_sesuisho6-084|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 はくらうのもとにて馬をかう目爪髪鞍下其   外そろふたるとほむる時川わたりはよきかととふ   中々の事河は鵜じやめてたしとてわめきも   とりしか十日斗過荷をつけ川をわたるに   中ほとにてたうとふしたりかひぬし気をそこ   なひばくらうがもとに来り存分をいひけるよ   されはこそ川は鵜じやと申たは鵜といふ鳥の   水をみていらぬやあらん/n6-42r