[[index.html|醒睡笑]] 巻5 人はそだち
====== 15 住吉と聞く松原にときは文月七夕や・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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住吉と聞く松原に ときは文月七夕や 逢瀬うれしき宮参り おのづからなる手向草(たむけぐさ) 染帷子(そめかたびら)の色こがれ 花やかなりし少人たち やすらふ影ももの深く 知るも知らぬも浦の浪 心を寄せて立ち聞けば あなあさましや蛇(くちなは)を 一つ見付けて言ひけるやう 鰻にしたらば五十せう かまぼこならば大板が 五枚あらうと程(ほど)をさした。
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===== 翻刻 =====
一 住吉ときく松原に ときは文月七夕や
あふせうれしき宮参り をのつからなる手向草
そめかたひらのいろこがれ 花やかなりし少人たち
やすらふかげも物ふかく しるもしらぬも浦の浪
心をよせてたちきけは あなあさましやくち
なはを 一つ見つけていひけるやう
うなきにしたらば五十せう かまほこならば
大板か 五枚あらうとほどをさした/n5-59r