[[index.html|醒睡笑]] 巻5 上戸 ====== 8 振舞ひの席にて今日の亭主は生得下戸なり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho5-049|<>]] 振舞ひの席にて、「今日の亭主は生得下戸なり。酒を三返(べん)のうへはしひぬぞ。油断するな」と、同じ心の友、みな目まぜをせし。 三返目に亭主出で、「いかほど参りたるぞ」と問ふ時、わざと気に受けさせんと思ひ、「はや四献とほりたる」と言ふ。「われらは稲荷を信仰の者なる、めでたう銚子を取るや」と言ふ。「稲荷を信じ給はば、今一献とほされよ。何((「何」は底本「なふ」。諸本により訂正。))とて、稲荷殿は四献四献(しこんしこん)と言はるるほどに」。 [[n_sesuisho5-049|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 ふるまひの席にてけふのていしゆは生得(しやうとく)下戸(げこ)也   酒を三返のうへはしいぬぞ油断するなと   おなじ心の友みな目まぜをせし三返めに   亭主出いかほど参りたるぞととふ時態気   にうけさせんとおもひはや四献とをりたると   いふ我等は稲荷を信仰(しんかう)のものなるめてたふ銚(てう)   子をとるやといふいなりを信したまはば今一   献とをされよなふとていなり殿(どの)は四献四献と/n5-42l   いはるるほどに/n5-43r