[[index.html|醒睡笑]] 巻5 上戸
====== 3 伊勢参りの坂むかひに出でたる者内に帰り胸をなで額をとらへ・・・ ======
===== 校訂本文 =====
[[n_sesuisho5-044|<>]]
伊勢参りの坂むかひに出でたる者、内に帰り、胸をなで、額をとらへ、「あら苦し、苦し」と、時過ぐるまでかなしがるを、利口なる息子あり、「父(てて)はそれほど苦しい酒を、よいころに飲みもせで」と申しければ、目を見出だし、「おのれは、こざかしく何を知り顔に。『この酔(ゑ)ひのさめんが苦しや』と言ふてあそぶよ」。
[[n_sesuisho5-044|<>]]
===== 翻刻 =====
一 伊勢参の坂向(むか)ひに出たる者内にかへりむねを
なてひたいをとらへあらくるしくるしと時すぐ
るまてかなしかるを利口(りこう)なるむすこあり
ててはそれほとくるしいさけをよいころにのみ
もせてと申けれは目を見いたしをのれは
こざかしくなにをしりかほに此ゑいのさめんが/n5-40r
くるしやといふてあそふよ/n5-40l