[[index.html|醒睡笑]] 巻3 自堕落 ====== 4 芋掘り僧のありつるが秋も最中の月澄みに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-079|<>]] 芋掘り僧のありつるが、秋も最中(もなか)の月澄(つきす)みに、百姓出でて田を守(も)りゐたり。夜更け、物音せぬみぎり、笠を着、白き帷子(かたびら)を端折りたる男、さうけ((ざる))と小桶とを持ちて来たりぬ。 百姓、不審なるものに思ひとがめければ、かの男言ふ、「俗人((実は僧なので、つい俗人と言ってしまった。))鰌(どじやう)すくふに、何のくせごとかあらうぞ」と。 [[n_sesuisho3-079|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 いもほり僧のありつるか秋も最中の月澄(つきすみ)   に百姓出て田をもりゐたり夜ふけ物を   とせぬみきり笠をきしろき帷子をはし   おりたる男さうけと小桶とをもちて来りぬ   百姓ふしんなる物におもひとがめけれは   彼男いふ俗(ぞく)人鰌(どじやう)すくふになにのくせ   ことかあらふぞと/n3-38r