[[index.html|醒睡笑]] 巻3 文の品々 ====== 2 青蓮院殿へ出入りする筆匠あり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-067|<>]] 青蓮院殿(しやうれんゐんどの)へ出入りする筆匠(ふでゆひ)あり。尊鎮門跡(そんちんもんぜき)((尊鎮法親王))に言上(ごんじやう)するやう、「別して御中よきそのなにがし殿へ、挙状(きよじやう)を一通下されよかし」と。御領掌(ごりやうじやう)ばかりにうち過ぐる。 折々これを望めば、あまりさりがたきまま、「心得たり」とて、つかはし給ふ文体、「この筆匠それへ参り候ふ。ぬしは上手と申し候ふ」。 さはらすしてすうだ。 [[n_sesuisho3-067|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 青蓮院殿へ出入する筆匠(ふてゆい)あり尊鎮門跡(そんちんもんぜき)/n3-30l   に言上するやう別して御中よき其なに   がし殿へ挙(きよ)状を一通下されよかしと御領(れう)   掌(じやう)斗にうち過る折々是を望(のそ)めば   あまり難去(さりがたき)まま心得たりとて遣(つかは)し給ふ   文体此筆匠(ゆい)それへ参候ぬしは上手と   申候   さはらすしてすふだ/n3-31r