[[index.html|醒睡笑]] 巻3 文の品々 ====== 1 根来にて岩室の梅松とかや聞こえし若衆に・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho3-066|<>]] 根来(ねごろ)((根来寺))にて、岩室の梅松とかや聞こえし若衆に、ぎこつなき法師の思ひを寄せながら、言ひ寄らんたよりもなければ、せせり書きする人を語らひ、「文を一つ書きてくれられよ。文章のことは、われ好まん」となり。「ともかくも」と筆を染めうかがひゐければ、「おれはそなたに惚れたげな。恋の心か、頭(かしら)が痛い」と。 [[n_sesuisho3-066|<>]] ===== 翻刻 =====    文之品々 一 根来(ねごろ)にて岩室(いはむろ)の梅松とかや聞えし   若衆にきこつなき法師のおもひをよせ   ながらいひよらんたよりもなければせせりがき   する人をかたらひ文を一つかきてくれられよ   ぶんしやうの事はわれこのまんとなりとも   かくもと筆をそめうかがひゐけれはをれは   そなたにほれたげな恋の心かかしらがいたいと/n3-30l