[[index.html|醒睡笑]] 巻1 落書
====== 36 西陣といふは絹屋のあまたある所なるが・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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西陣といふは絹屋(きぬや)のあまたある所なるが、一とせ黒船渡らず、糸高直(かうぢき)なるゆゑ、「手前不如意なれば、孝養(きやうやう)((「孝養は底本「孝粮」に「きやうやう」と読み仮名。読み仮名に従い改める。))の営みも調(ととの)へがたし。さるにより、まづしばしは月忌(ぐわつき)の僧衆(そうしゆう)もおはするな」と申し合へる時、
西陣にいかなる敵のあるやらむとき((鬨・斎))も上げけりはた((旗・機))も上げけり
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===== 翻刻 =====
一 西陣といふは絹屋のあまたある所なるか一
とせ黒舟(くろふね)わたらす糸高直なる故手前不如
意なれは孝粮(きやうやう)のいとなみも調かたしさるに
よりまつ暫(しはし)は月忌(くわつき)の僧衆(そうしう)もおはするなと申
あへる時
西陣にいかなるてきのあるやらむ/n1-35r
ときもあけけりはたもあけけり/n1-35l