[[index.html|醒睡笑]] 巻1 謂へば謂はるる物の由来 ====== 40 京にて乗物をかきあるひは庭にて働く男を六尺とはなどいふならん・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho1-039|<>]] 「京にて、乗物をかき、あるひは庭にて働く男を、『六尺』とはなどいふならん」。 「さること候ふ。屋敷につけ家につけ、畳につけ一切縦横(たてよこ)間を定むるに、田舎のは、一間を六尺に取る法なり。都のは、間尺(けんじやく)を六尺三寸に取つて一間とする法なり。されば、亭主をば都六尺三寸の間に取り、使はるる男をば田舎六尺の間に取る。その故は、主人たる人の心と、下男の心と、物事はらりと違ひて間に合はぬゆゑに、かの下人を六尺とはいふとなり」。 [[n_sesuisho1-039|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 京にて乗物をかきあるひは庭にてはたらく   男を六尺とはなといふならんさる事候屋敷に   つけ家につけたたみにつけ一切竪横間を   さたむるに田舎のは一間を六尺にとる法也   都のは間尺を六尺三寸にとつて一間とする   法なりされは亭主をは都六尺三寸の間に/n1-21r   とりつかはるる男をは田舎六尺の間に   とる其故は主人たる人の心と下男の心   と物ことはらりとちかひてまにあはぬゆへ   にかの下人を六尺とはいふとなり/n1-21l