[[index.html|醒睡笑]] 巻1 謂へば謂はるる物の由来 ====== 17 痩法師の酢好みとは・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho1-016|<>]] 「痩法師の酢好み」とは、八瀬(やせ)の寺は昔より禁酒にて酒を入れず。僧の中に酒を好みえこらへぬあり。常に土工李(とくり)を持ちて行きかよふ。もし人問ふことあれば、「酢にて候ふ」といふ。日を経ずかよひしげし。また問ふ時も同じ返事なるまま、諺(ことわざ)に言ひ習はし、やせの法師は酢好みや。 [[n_sesuisho1-016|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 痩(やせ)法師の酢(す)このみとはやせの寺は昔より   禁(きん)酒にて酒をいれす僧の中に酒をこの   みえこらへぬあり常(つね)に土工李をもちて行か   よふ若(もし)人とふ事あれはすにて候といふ日を経   すかよひしけし又とふ時も同返事なるまま   諺(ことはさ)にいひならはしやせの法師はすこのみや/n1-11r