[[index.html|古今著聞集]] 飲食第二十八 ====== 626 同じき六年十月十二日白河の仙洞に行幸の時御前にて盃酌ありけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 同じき六年((保延六年。[[s_chomonju625|625]]参照。))十月十二日、白河の仙洞に行幸((崇徳天皇の行幸。))の時、御前にて盃酌ありけり。 家成卿((藤原家成))、右兵衛督にて侍りけるに、庖丁すべきよし、沙汰ありけれども、辞し申けるを、ある殿上人、鯉をかの卿の前に置きてけり。徳大寺左大臣((藤原実能))、右大将にて侍りけるが、「天気を待つにこそ」と奏せられたりければ、主上わたらせ給ひて、勧めさせおはしましければ、家成卿、つかうまつりけり。群臣、興に入りて、目をすましけるとぞ。 ===== 翻刻 ===== 同六年十月十二日白川仙洞に行幸の時御前にて 盃酌ありけり家成卿右兵衛督にて侍けるに 庖丁すへきよし沙汰ありけれとも辞申けるをある 殿上人鯉を彼卿のまへにをきてけり徳大寺左大臣 右大将にて侍けるか天気をまつにこそと奏せら れたりけれは主上わたらせたまひてすすめさせおは しましけれは家成卿つかうまつりけり群臣興に 入て目をすましけるとそ/s492l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/492