[[index.html|古今著聞集]] 飲食第二十八
====== 618 長谷の前々大僧正五月五日人々に粽を配りけるに・・・ ======
===== 校訂本文 =====
長谷の前々大僧正((覚忠))、五月五日人々に粽(ちまき)を配りけるに、俊恵法師聞きて、そのうちに入るべきよし、申しつかはすとて詠みける、
菖蒲(あやめ)をば((底本「ば」なし。諸本により補う。))ほかに借りても葺きつべし粽引くなるうちに入らばや
返し、僧正、
恥かしや院の菖蒲をおきながら粽引く名の空に立ちぬる
===== 翻刻 =====
長谷前々大僧正五月五日人々にちまきをくはりけるに/s489r
俊恵法師ききてそのうちにいるへきよし申つかはすとて
よみける
あやめをほかにかりても葺つへしちまきひくなるうちにいらはや
返し 僧正
はつかしや院のあやめををきなからちまき引名の空にたちぬる/s489l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/489