[[index.html|古今著聞集]] 興言利口第二十五
====== 569 四条院崩御の時醍醐の大僧正の弟子になにがし房とかやいひける僧・・・ ======
===== 校訂本文 =====
四条院((四条天皇))崩御の時、醍醐の大僧正((実賢))の弟子に、なにがし房とかやいひける僧、僧正((「僧正」は底本「今正」。諸本により訂正。))のもとへ消息をやるとて、
去九日、国王俄死去云々。尤不便之事歟。(去る九日、国王俄に死去すと云々。尤も不便の事か。)
と書きたりける、不思議なる文章なりかし。
僧正、腹腸(はらわた)を切りて、その状を人に見せられけるとなむ。
===== 翻刻 =====
四条院崩御の時醍醐大僧正の弟子になにかしは
うとかやいひける僧今正のもとへ消息をやるとて
去九日国王俄死去云々尤不便之事歟と書たり
けるふしきなる文章なりかし僧正腹腸を切て
其状を人に見せられけるとなむ/s449r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/449