[[index.html|古今著聞集]] 興言利口第二十五 ====== 563 同じ卿のもとに権寺主円慶といふ僧侍りけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 同じ卿((藤原家隆。[[s_chomonju562|562]]参照。))のもとに、権寺主円慶といふ僧侍りけり。件(くだん)の僧、ひえ鳥((鵯・ヒヨドリ))を飼ひけり。毛を遅くかへけるを、いらいらしき者にて、その鳥を捕へて、毛をつるりとむしりてけり。 二品((藤原家隆))聞かれて、比興のことに思ひて、歌を詠みて札に書きて、壬生の辻子(づし)に立てられける。   ひえ鳥をむしりつくみのはだか腹しり鈴にして鳴り渡るなり ===== 翻刻 ===== 同卿のもとに権寺主円慶といふ僧侍りけり 件僧ひえとりをかひけり毛ををそくかへける をいらいらしき物にて其鳥をとらへて毛をつる りとむしりてけり二品きかれて比興の事に おもひて哥をよみてふたにかきて壬生の辻 子立られける  ひえ鳥をむしりつくみのはたかはらしりすすにしてなりわたるなり/s446r http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/446