[[index.html|古今著聞集]] 興言利口第二十五
====== 556 坊城三位入道雅隆のもとに正月朔日深草土器持ちて参りたりけるに・・・ ======
===== 校訂本文 =====
坊城三位入道(雅隆)((藤原雅隆))のもとに、正月朔日(ついたち)、深草土器(ふかくさかはらけ)持ちて参りたりけるに、酒など飲ませて、菓子取らせけるに、餅鏡(もちひかがみ)を具して取らせたりけるを、あまりに悦びて、「今年よりは、おほやけわたくし浄頗梨(じやうはり)の鏡に向ひ候ひたり」と言ひたりける、福(ふく)たのしさいふばかりなし。
===== 翻刻 =====
坊城三位入道(雅隆)のもとに正月朔日ふか草かはらけ
持てまいりたりけるに酒なとのませて菓子と
らせけるに餅鏡をくしてとらせたりけるをあ
まりに悦てことしよりはおほやけわたくし浄
頗梨の鏡にむかひ候たりといひたりけるふ
くたのしさいふはかりなし彼三位入道うせられ/s442l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/442