[[index.html|古今著聞集]] 画図第十六
====== 390 為成一日が中に宇治殿の扉の絵を書きたりけるを・・・ ======
===== 校訂本文 =====
為成((宅磨為成))、一日が中(うち)に宇治殿の扉の絵を書きたりけるを、宇治殿((藤原頼通))、仰せられけるは、「弘高((巨勢広高))は絵様(ゑやう)を描きて、一夜なほよく案じてこそ描きたりしか。いかにかく卒爾(そつじ)には描くぞ」となん仰せられけり。
常則((飛鳥部常則))が書きたる獅子形を見ては、犬吠えにらみて、驚きけるとなん。
===== 翻刻 =====
は称しける為成一日か中に宇治殿の扉の絵を
書たりけるを宇治との被仰けるは弘高は絵様
をかきて一夜なをよく案してこそかきたりしか
いかにかく卒爾にはかくそとなん仰られけり常則
か書たる師子形をみては犬ほへにらみておとろ
きけるとなん/s295r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/295