[[index.html|古今著聞集]] 術道第九
====== 296 陰陽師吉平医師雅忠と酒を飲みけるに・・・ ======
===== 校訂本文 =====
陰陽師吉平(晴明子)((安倍吉平))、医師雅忠((丹波雅忠))と酒を飲みけるに、雅忠、盃を取りて受けて、しばし持(も)たりけるを、吉平見て、「御酒(みき)とく参り給へ。ただ今なゐのふり候はんずるぞ」と言ひけり。
その言葉たがはず、やがてふりければ、酒がぶときて、こぼれにけり。ゆゆしくぞ、かねて言ひける。
===== 翻刻 =====
陰陽師吉平(晴明子)医師雅忠と酒をのみけるに雅忠
盃をとりてうけてしはしもたりけるを吉平みてみきと
くまいり給へ只今ないのふり候はんするそといひけり
其こと葉たかはすやかてふりけれは酒かふときてこほれ
にけりゆゆしくそかねていひける/s207l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/207