[[index.html|古今著聞集]] 管絃歌舞第七
====== 238　天暦元年正月二十三日内宴を行はれけるに重明親王勅を承りて琴を弾き給ひけり・・・ ======

===== 校訂本文 =====

天暦元年正月二十三日、内宴を行はれけるに、重明親王((醍醐天皇皇子。村上天皇の兄。))、勅((村上天皇の勅。))を承りて、琴を弾き給ひけり。一絃ゆるかりければ、右兵衛佐((「右兵衛」は底本「兵」なし。諸本により補う。))清正((藤原清正))に仰せて張らせられけり。

まづ、春鶯囀(しゆんあうでん)を奏し、後に席田(むしろだ)を唱ふ。次に酒清司(しゆせいし)をぞ奏しける。この間、琴の武絃絶えたりけれど、なほ弾じ果て給ひけり。

===== 翻刻 =====

  天暦元年正月廿三日内宴を行はれけるに重明親王
  勅をうけたまはりて琴を引給けり一絃ゆるかりけれは右衛
  佐清正に仰てはらせられけり先春鶯囀を奏し後に席
  田をとなふ次酒清司をそ奏しける此間琴の武絃たえ
  たりけれと猶弾しはて給けり／s161r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/161