[[index.html|古今著聞集]] 公事第四 ====== 103 後鳥羽院公事の道を深く御沙汰ありけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 後鳥羽院((後鳥羽天皇))、公事(くじ)の道を深く御沙汰ありけるに、菩提院入道殿下((藤原基房))に「内弁の作法を習はせおはしまさん」とて、滝口殿((「滝口殿」は底本「龍口殿」。諸本により訂正。))に御幸なりて、門みなさしまはされけり。 入道殿下、墨染(すみぞめの)御衣・袴(はかま)に笏正しくして、院の御下重(したがさね)の尻を賜はらせ給ひて、御腰に結ひて、ももゆき履きてねらせ給ひたりける、目も心も及ばずめでたかりける。 幼き殿上人一・二人、上北面(じやうほくめん)には重輔朝臣((藤原重輔))一人ぞ候ひける。 ===== 翻刻 ===== 後鳥羽院公事の道をふかく御沙汰ありけるに菩提院 入道殿下に内弁の作法をならはせおはしまさんとて 龍口殿に御幸なりて門みなさしまはされけり入道 殿下すみそめの御衣はかまに笏たたしくして/s86r 院の御下重尻をたまはらせ給て御輿にゆいて ももゆきはきてねらせ給たりける目も心もおよはす めてたかりけるをさなき殿上人一二人上北面には 重輔朝臣一人そ候ける/s86l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/86