[[index.html|古今著聞集]] 神祇第一
====== 11 後三条院の御時国の貢ぎ物広田の御前の沖にて多く入海の・・・ ======
===== 校訂本文 =====
後三条院((後三条天皇))の御時、国の貢ぎ物、広田の御前の沖にて、多く入海の聞こえありければ、宣旨をかの社へ下されて、貢ぎ物を全うせられぬよし、逆鱗ありけるに、社の辺りの木、一夜に枯れにけり。
主上、聞こし召し、驚かせ給ひて、なだめ申されければ、木、もとのごとく栄えにけり。その後、船も入海せざりけり。
===== 翻刻 =====
後三条院御時国のみつき物広田の御まへの澳にて
おほく入海のきこへありけれは宣旨を彼社へ下されて
みつき物を全せられぬよし逆鱗ありけるに社の辺の木
一夜に枯にけり主上きこしめしおとろかせ給てなため
申されけれは木もとのことくさかへにけり其後船も入海せさり
けり大学寮の廟供には昔猪鹿をもそなへけるを或/s16r
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