====== 長歌 ====== ちょうか [[和歌]]の形式(歌体)の一つ。 五・七を繰り返し(句数はきまっていない)、五・七・七で終わる形式。一般的に、[[短歌]]形式の[[反歌]]をともなう。 [[万葉集]]に260首余り見られ、特に[[柿本人麻呂]]の長歌は[[漢詩]]の影響を受け、[[対句]]・[[枕詞]]・[[序詞]]などの修辞法を駆使し、秀逸である。 万葉集では人麻呂のほか、[[笠金村]]・[[山部赤人]]・[[高橋虫麻呂]]・[[山上憶良]]・[[大伴家持]]・[[田辺福麻呂]]などに特色のある作品がある。 [[平安時代]]以後、[[古今和歌集]]ほかいくつかの[[勅撰和歌集]]などに見られるものの、衰退した。 【例文】『万葉集』423 柿本人麻呂 >つのさはふ 磐余の道を 朝さらず 行きけむ人の 思ひつつ 通ひけまくは 霍公鳥 鳴く五月には あやめぐさ 花橘を 玉に貫き [一云 貫き交へ] かづらにせむと 九月の しぐれの時は 黄葉を 折りかざさむと 延ふ葛の いや遠長く [一云 葛の根の いや遠長に] 万代に 絶えじと思ひて [一云 大船の 思ひたのみて] 通ひけむ 君をば明日ゆ [一云 君を明日ゆは] 外にかも見む