====== 日記 ====== にっき ===== 定義 ===== いわゆる日記のことだが、男性の手により[[漢文]]で書かれた日記と、女性の手により書かれた [[仮名]]の日記があり、その文学性から後者を[[日記文学]]ともいう。 ==== 漢文の日記 ==== 貴族の男性による漢文の日記は、記録として書かれたものであり、史料としての価値が高い。 * 『明月記』 藤原定家 ==== 仮名の日記 ==== 仮名の日記は、[[紀貫之]]による[[土佐日記]]に始まり、[[中古]]・[[中世]]を通して、 貴族の女性によって受け継がれ、[[日記文学]]という一つの[[ジャンル]]を形成する。 記録性よりも、文学性に重点がおかれているのが、漢文の日記との大きな違いである。 ^作品名^成立^作者^ |[[土佐日記]]|935ごろ|[[紀貫之]]| |[[蜻蛉日記]]|974ごろ|[[藤原道綱母]]| |[[和泉式部日記]]|1008ごろ|[[和泉式部]]| |[[紫式部日記]]|1010ごろ|[[紫式部]]| |[[更級日記]]|1060ごろ|[[菅原孝標女]]| |[[成尋阿闍梨母集]]|1073ごろ|[[成尋阿闍梨母]]| |[[讃岐典侍日記]]|1108ごろ|[[讃岐典侍]](藤原長子)| |[[たまきはる]]|1219ごろ|[[建春門院中納言]]| |[[うたたね]]|1240ごろ|[[阿仏尼]]| |[[弁内侍日記]]|1252ごろ|[[後深草院弁内侍]]| |[[十六夜日記]]|1280|阿仏尼| |[[中務内侍日記]]|1292ごろ|[[伏見院中務内侍]](藤原経子)| |[[とはずがたり]]|1313ごろ|[[後深草院二条]]| ===== 参考文献 ===== * 『日記解題辞典―古代・中世・近世』(馬場萬男編・東京堂出版)