====== 散書 ====== ちらしがき [[和歌]]などの仮名文を書く際、行頭、行末、行間に変化をつけ、[[料紙]]の紙面に散らして書く書き方。日本独特の構成方法である。 [[三色紙]]のような[[古筆]]や、[[消息]]等に見られる。 『[[源氏物語]]』に見られる「乱れ書き」が、散書を表していると考えられている。 >唐の紙の、いとすくみたるに、草書きたまへる、すぐれてめでたしと見たまふに、高麗の紙の、肌こまかに和うなつかしきが、色などははなやかならで、なまめきたるに、おほどかなる女手の、うるはしう心とどめて書きたまへる、たとふべきかたなし。 >見たまふ人の 涙さへ、水茎に流れ添ふ心地して、飽く世あるまじきに、また、ここの紙屋の色紙の、色あひはなやかなるに、乱れたる草の歌を、筆にまかせて**乱れ書きたまへる**、見所限りなし。 しどろもどろに愛敬づき、見まほしければ、さらに残りどもに目も見やりたまはず。(『源氏物語』梅枝) {{tag>用語 書誌学 書道}}