====== 扶桑略記 ====== ふそうりゃくき,ふそうりゃっき [[平安時代]]後期の阿闍梨皇円による歴史書。30巻。 成立は記事の最後の条から、堀河天皇の時代、嘉保元年三月以降。 神武天皇から堀河天皇までの漢文で書かれた[[編年体]]の歴史書で、仏教、寺院の記載に重点が置かれている。 その素材は、[[六国史]]などの諸記録の他、[[僧伝]]、[[縁起]]、[[説話]]及んでいる。したがって、歴史書としての価値はそれほど高くはないが、各条の出典を明記してあるところがみられること、ところどころ皇円の意見が書かれていること、日本だけでなくインド、中国のできごとを併記してあることなどが特徴である。 【校本】 * 国史大系12「扶桑略記・帝王編年記」(吉川弘文館)