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- 第41話(巻3・第9話)伯の母の事
- くす)しけり。この越前守は、伯の母((神祇伯康資王の母))とて、世にめでたき人、歌詠みの親なり。妻は伊勢の太夫、姫君たちあまたあるべし。 多気大夫、つれづれに思ゆれば、聴聞に参りたりけるに、御簾を風の吹... ろづの功徳も何もし給ひけれ。ゆゆしかりける者どもの、心の大きさ、広さかな」と語られけるとぞ。 この伊勢の大夫の子孫は、めでたき幸ひ人、多く出で来給ひたるに、大姫君の、かく田舎人になられたりける、あはれに... かひに越前守といふ人のもとにきやくすしけり此越前守は伯母とてよ にめてたき人哥よみのおやなり妻は伊勢の太夫ひめきみたちあまた あるへしたけのたゆふつれつれにおほゆれはちやうもんにまいりたりけるに